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なんとなくな日常と気のむくままの創作雑記

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食文化体験

 しつこく旅行記の続き。

 MA3日目の日曜日は、MG、Mとともに製糖所(シュガーシャック)へ出かけた。ニューイングランドといえばメイプルシロップ。製糖所とはつまり、メイプルシロップの工場みたいなもの。工場といっても大がかりな機械や設備があるわけではなく、広大な林の隅っこの方に、ぽつんと小さな小屋(シャック)が建っているだけ。その小屋の中で、カエデの幹から採取した樹液を濃縮して、メイプルシロップを作っているんだって。

 この製糖所は個人経営らしく、オーナーとおぼしき年配の男性が、林と小屋を案内しながら樹液の採取方法や濃縮方法などを丁寧に説明してくれた。が、なにせ未知の世界、知らない単語も多く、たぶん半分も理解してないな、私(汗)。

 わかったのは、木の幹に小さな穴を空け、そこから樹液を採取しているということ、昔は幹にバケツをぶら下げて集めていたのだけれど、今はプラスチック製の長いチューブを林中に張りめぐらせ、高低差を利用してすべての樹液が一箇所(小屋)に集まるようになっていること、それくらいかな。

 正直、ずいぶんアナクロな方法だなーと思ったのだけれど、そのシンプルさが伝統というものなのかも知れない。温暖化や異常気象の影響で、収穫量は年々減少傾向にあるという。経営が厳しくなって、やめてしまう同業者も増えているとか。ニューイングランドがメイプルシロップの産地じゃなくなってしまったら淋しいな。今回の訪問では、説明しながら大切そうに幹を撫でるオーナーの姿が印象的だった。残ってほしいなー。残してほしいなー。

 見学のあとはMGの友人夫婦と合流し、併設するレストランでブランチ。メニューはもちろん自家製メイプルシロップをかけたパンケーキ。私はくるみの入ったパンケーキをいただいた。素朴な、懐かしいような味で、とってもおいしかったです。それだけでなんとなく幸せな気分になれちゃう感じ。基本的に甘いものは苦手な私も、ピュアメイプルシロップとパンケーキには目がないのだ(笑)。

 パンケーキにスクランブルエッグにカリカリベーコン。アメリカの典型的な朝食のように思えるけれど、一般家庭では失われつつあるメニューなのかな、なんてことをたまに思う。日本の家庭で、ご飯にみそ汁に納豆に魚の干物という朝食が消えかかっているのと同じように。それでも、アメリカ人はパンケーキが大好きなんだよね。「24時間パンケーキが食べられる店」をウリにして、人気を博したファミレスがあったくらいだし。かつてはよく通ったこのチェーン店も、今はなくなってしまったと聞いた。その代わり、モーニングでなくともパンケーキを食べられる店は珍しくなくなった。

 それはそうと、製糖所の写真を撮り忘れたのは大きな失敗だったなー。説明を聞いている間は終始戸外だったので、もう寒くて寒くて、凍える一歩手前で正直それどころじゃなかった。でも、あんなに間近で見られる機会はもうないだろうし、撮っておけば貴重な画像になったろうに。うーん、残念。

 午後はMGとふたりでスピナッチパイを作った。その名のとおり、ほうれん草のパイ。パイといってもデザートとはちょっと違う。ギリシャの料理で、ギリシャ系アメリカ人であるMGにとっては、イースター料理の定番なのだとか。

 十数年前のMA在住時に、MGのお母さんがやはりイースターのときに作ったものをいただいたことがあって、「これ、おいしいなー」と思ったのを覚えていた。その話をMGにしたら、ちょうどイースターの時期だし、一緒に作ろうということになって。作り方を覚えて、日本に帰ったら家族のために作ってあげること、というのがなぜか宿題のようになってしまった(苦笑)。

 いやはや、なかなか手間のかかるお料理です。具材は、ほうれん草、玉ねぎ、フェタチーズ、卵、松の実+調味料。「dough」と呼ばれるぺらっぺらの生地を何枚も重ね、パイ生地を構築するところからはじまるとか、なんとも気の長い話(苦笑)。生地が完成したら適切な大きさにカットして、それで具材を包み、オーブンでじっくり焼きあげる。この日は夕方から予定が入っていたこともあり、あとは焼くだけという状態にして冷凍保存した。

20120401_Spinach Pie 1_convert【帰国後にパイ生地を使って作ったスピナッチパイ 焼く前】

 MGは料理の本をたくさん持っていて、時間があるときにはけっこう凝ったものも作るらしい。お母さんから受け継いだレシピなどもあったりして。私は……料理はあんまりしないかな。子どもの頃から母の手伝いはさせられていたので、やれと言われればできなくはないけれど、基本的に好きじゃない。もともと食べることが好きじゃない人だから(苦笑)。でも、代々伝わる家庭の味とか、なんかいいなーなんて思いました。

20120401_Spinach Pie 2_convert20120401_Spinach Pie 3_convert【帰国後に作ったスピナッチパイ 完成形】

 さて、夕方。実はこの日、友人Mとの間にちょっとした行き違いがあって、少しばかり切ない思いをしてしまった。午前中に製糖所で別れるとき、Mは「今夜は友だちとディナーの約束がある」と言っていた。一緒に行かないかと誘われてOKしたのだけれど、その後の連絡がうまくいかなかった。いえ、私のミスなんですけどね。それと、英語力不足が重なっちゃった感じ。

 携帯をバッグの中に入れたままスピナッチパイ作りに夢中になっていて、Mからのメールに気がつかなかった。ディナーだから夕方だろうと思い込んでたのも一因。15時前に来てくれというメールに気づいたときには15時近くて、慌てて電話したものの、電話での英会話は大の苦手で、たぶんここで何かを聞きのがした。

 17時に会うことにして電話を切ってから、ふと「けっきょくディナーはどうなったのだろう」と思った。17時に合流してから食べにいくのか、私抜きでMと友人たちだけで食べにいって、そのあとで合流するという意味なのか。MGに相談したら、アメリカの文化では、17時の待ち合わせといったらそれはディナーの約束だ、つまり前者、とのこと。食べないで行くのが礼儀だとも。が、実際は見事に後者だった。

 17時にMと会い、彼の家ではなく、彼の友だちの家につれていかれた。リビングルームで皆さんくつろぎモード。友人夫婦はスカイプで実家の両親と談笑中。Mはといえば、彼らの子どもたちと遊んであげている。ああ、これは夕食後の光景だなと思った。そして案の定、ちょっと前に食べて帰ってきたところだと聞いた。「そっちは? 夕飯食べた?」と訊かれ、「食べてないけど、お腹すいてないから」と答えた。

 22時すぎに帰宅し、残りもので遅い夕食を済ませた。ちょっとだけ惨めな気分だったかな。まあ、こういう些細な行き違いは、言葉や文化が違う国を旅していればよくあることです。いちいち凹んでたらキリないわ(笑)。

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