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なんとなくな日常と気のむくままの創作雑記

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わが心のバークシャー

 月曜日。平日。MGは4時半に起きて5時半には仕事に出てしまうので、6時半に起きたときには誰もいなかった。ちなみに彼女は幼稚園の先生である。

 さておき、マサチューセッツにはバークシャー地方と呼ばれるエリアがある。町よりも大きな括りで、州よりも小さな括り、いわゆる群(カウンティ)というやつ。どこからどこまでが含まれるのか、実は私も正確には知らない。知っているのは、州の西側一帯がそれに相当し、州民の多くがこの地方を「素敵なところ」と認識していて、ある種の特別なイメージや感情を抱いているということ。憧れだったり誇りだったり。いつ、どこで、どのようにしてそれを感じとったのか、今はもう覚えていないけれど、その認識やイメージは私の中にもしっかり根づいている。

 バークシャーはMA在住時から大好きで、春、夏、秋と、何度となく車を走らせた場所でもある。山と湖と農場に囲まれ、かわいらしい小さな町が点在する。とくに紅葉のシーズンは人気で、田舎なんだけど田舎臭くない、どこか小ぎれいで洗練された、ニューイングランド特有の美しい風景がどこまでも広がる本当に素敵なところ。ふた昔くらい前の軽井沢みたいなイメージかな。

 そして今回も、やっぱりバークシャーへのドライブは外せないと思った。開発が進んで変わってしまっていたら哀しいしなーと少し迷ったのだけれど、行かなかったらそれはそれで後悔する気がして。最終目的地のないドライブはキツいから、とりあえずストックブリッジのノーマン・ロックウェル美術館を目指して出発した。この美術館も、何回訪れたかわからないくらいよく行った。それほどに好きだった場所。

20120402_Huntington_convert.jpg【ルート112沿いの小さな町 ハンチントン】

 あくまでドライブが目的なので、ハイウェイは使わずに一般道を選択。ルート66から112、そこから20に乗って西へ。トイレ休憩のために某スーパーマーケットで小休止したら、それゆえに分岐点の標識を見逃し、道を間違えたもよう。気がついたら北上していた(汗)。なんか違うかなーと思いながらも走りつづけるうちに、見たこともない大きな街に出て、MAを突き抜けてお隣の州に来てしまったかと一瞬焦った。バークシャーでいちばん大きな街、ピッツフィールドでした。バークシャーに「町」じゃなくて「街」があるなんて知らなかった(笑)。

 気を取りなおして南下し、無事ストックブリッジに到着。メインストリート沿いに並ぶ、こじんまりとした店々は相変わらずの佇まいを見せていて、ひとまずほっとした。ロックウェルが愛した町、ゆえに晩年を過ごした町、その町並みを彼の描いた絵のままに残そうとする運動か何かがあるのかも知れない。通りはオフシーズンで閑散としていたけれど、人混みが苦手な私には却って好都合だ。車を停めてしばし町を歩く。といっても、10分ほどでメインストリートの端から端まで歩けちゃうんだけどね(笑)。

20120402_Stockbridge Main Street_convert【ストックブリッジのメインストリート】

 昼食をとろうと、図書館の横手にあるレストランに入った。おもての張り紙を見て「本日のランチスペシャル」を注文したら、「うちにはもっとおいしいものがたくさんあるのよ」と、ランチスペシャルなのにお勧めしないなんて言われて超びっくり。すごいレストランだなー(笑)。「じゃあ、何がお勧め?」と訊いて、ルーベンと呼ばれるホットサンドに初挑戦。いわゆるフレッシュコンビーフ。が、生だけに私の口には合わず(←生ものの大半が苦手な人)、次回は避けようと頭の片隅にメモした(苦笑)。でも、店員の女性がとてもよくしてくれたので、チップははずんでおく。終始「ハニー」なんて呼ばれて、これ、相手によるのだけれど、このときはなんだか悪い気はしなかった。

20120402_Stockbridge Restaurant_convert【昼食をとったレストラン】

 再び車に戻り、丘の上にある美術館を目指す。途中でまた道を間違えてUターンしたら、あれ、おかしいな、直線道路のはるか先ではあるけれど、明らかに私の真正面から車が1台やって来る。「何を考えてるんだ、あの車は」と思った次の瞬間には、自分が左車線にいることに気づいた。あっぶねぇー! 周りにほかの車がない田舎道では、こういうことが起こりうるんですね(汗)。体に染みついた習癖と無意識って怖い。

20120402_Norman Rockwell Museum_convert【ノーマン・ロックウェル美術館】

 さて、ノーマン・ロックウェル美術館。非常に小さな美術館です。作品のひとつひとつをゆっくり眺めることをせず、さっさと素通りしてしまえば、それこそ10分で見終わってしまうくらい小さい。が、彼の作品には、隅々までじっくり眺めたくなるような、見る人の心をことごとく引きつけるような、不思議な魅力があるんだよね。背景ひとつとっても、細部にまでこだわって描かれている上、1枚の絵から伝わってくるストーリーが見事なまでに完成されていて、優しくて温かい。

20120402_Rockwell_Freedom from Want_convert【ロックウェルの作品 Freedom from Want】

 絵そのものは、日本でもお馴染みで、「Saturday Evening Post」の表紙になったものなど、見慣れた作品も多い。かくいう私も画集を持っているし、ポストカードのコレクションもしているし、自宅の壁には今もロックウェル作品のジクソーパズルを飾っている。それでも原画を見るたびに胸が躍るのは、やっぱりその大きさに圧倒されるからかも。A4サイズを見慣れていると、こんなに大きな絵だったのかーと、とにかく驚く。そしてその大きな絵から滲みでる空気が、本当に素敵なんだ。

20120402_Rockwell_Shuffletons Barbershop_convert20120402_Rockwell_The Runaway_convert【ロックウェルの作品 Shuffleton's BarbershopとThe Runaway】

 が、残念なことに、どうやらタイミングがあまりよろしくなかったようで、展示作品数が激減していて、館内の半分近くがほかの画家の作品で埋められていた。これは貸出中だな、と容易に察しがついた。どこか別の場所、もしくは他国で、ロックウェル展を開催しているのでしょう。日本もこの美術館から作品を借りたりしてたしね。うーん、これは運が悪かったと思って諦めるしかないな。本当に残念だけれど。

 併設するロックウェルのアトリエも、オフシーズンで閉館していた。またか。実はこのアトリエの内部、一度も見たことないんだよねー。つくづく縁のない私(涙)。

20120402_Rockwells Studio_convert【ロックウェルのアトリエ】

 帰りはハイウェイを使った。マサチューセッツ・ターンパイク、通称マスパイクもしくはI-90と呼ばれるハイウェイ。MAを横断する格好でボストンまで伸びている。ウエストフィールドを経由しているので、地元意識からか、私にとっては馴染みの深い道路でもある。さすがに早かった。行きは、道を間違えたせいもあるけど3時間以上かかったのに、帰りはウエストフィールドまで1時間弱。かなりの時短ですね。

 ウエストフィールドに着いた時点でまだ明るかったので、再び町をぶらぶらする。マスパイクのインターからダウンタウンに向かう道が大幅に改修されていた。混雑がひどかった10/202沿いのウエストフィールド・リバーに、新たにもう一本橋を架け、それぞれ一方通行にして渋滞緩和を目指したのだとか。周辺は今もまだ工事中だった。私にしてみればこれは大きな変化で、景色が違って見えたのはちょっと哀しかったけれど、考えようによっては、現在も工事が続いている段階で見ることができてよかったのかも。

20120402_New Bridge in Westfield_convert【ウエストフィールド 10/202の新しい橋】

 この付近には、昔、フォトグラフィの授業のために写真を撮った場所がある。廃線と鉄橋。立ち入り禁止区域なんだけどね、我慢できなくてまた行っちゃった。廃線じゃない線路を渡って。意外に危ないことしてるなー私(苦笑)。この鉄橋も、次に来たときにはもう撤去されているかも知れない。そんなことを思いながら再びシャッターを切る。

20120402_Dead track in Westfield_convert【ウエストフィールド・リバーと廃線の鉄橋】

 暗くなる前に帰宅した。というか、タイムリミットだった。米国の長距離ドライブはとっても楽しいのだけれど、何が困るってトイレね。気軽にトイレを借りられるコンビニも少ないし、そもそも知らない町で車を降りるのはちょっと怖い。ハイウェイにもサービスエリアはないし、トイレに行きたいからそろそろ帰るか、みたいな感じ(苦笑)。私のトイレ症候群(行けるときに何度も行ったり、行けないと思うと行きたくなったり、トイレの夢ばかり見るアレ)は、たぶんここに端を発していると思われる。

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