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なんとなくな日常と気のむくままの創作雑記

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変わりゆく街

 橋、道路、山、湖、川、滝、公園、ロープウェイ、展望台。好きなもの……というよりは、これまでの人生の中でやたらと縁があったもの。

 考えてみれば、父が好きだったものだ。子どもの頃からドライブと称してよくつれていかれた。おかげで、関東近県で行ったことのない場所というのがあまりなくて(いえ、本当はたくさんあるのだろうけど、思いつく範囲では少なくて)、最近はドライブの目的地を決めるのにも苦労している。ロープウェイなんて、どこがどこだか、わからなくなるくらい乗ってるなーと(苦笑)。

 新しもの好きだった父は、どこそこの橋が開通した、なんてニュースを聞けば、「じゃあ、ちょっと行ってみようか」と子どもたちをつれて車を走らせた。横浜ベイブリッジ、鶴見つばさ橋、東京湾アクアライン、レインボーブリッジなどなど。開通して間もない頃に観光気分で、その橋を通過するためだけにドライブに出かけちゃうような人だった。が、不思議と混雑に巻きこまれた記憶はない。まあ、道路ですから、混んでいる時間帯、空いている時間帯というのが当然あって、きっと彼はそのへんを熟知していたのでしょう。そんなこんなで、新名所に足を運ぶのは、いつもわりと早かった。

 さて、今年2月に東京ゲートブリッジが開通しましたねー。母が行ってみたいと言いだすのも時間の問題かな、と思っていたら案の定。お父さんならすぐ行っちゃうよ、と言われた。私には父ほどの好奇心や行動力はないので、「今はきっと混んでるから、少し落ち着いたらね」と適当にはぐらかしていた。

 興味がないわけではなかった。というのも、実はこの橋、わが家のじき近くでして。にも関わらず、昨年末だったか、もうすぐ開通!とテレビで話題になるまで、建設していることすら知らなかったという(汗)。だから、急に巨大な橋が現れたような不思議な感覚があって、正直ちょっと気になる。

 一方でためらう理由もあるにはある。橋の入口となっている東京ヘリポート~若洲公園の辺りは、まだきちんと整備されていなかったその昔、わが家のプチドライブコースだった。知る人ぞ知る的な、混雑とは無縁ののどかで心安らげる空間だったのだ。川沿いの芝生にビニールシートを広げておにぎりを食べたり、羽田空港から飛びたつ飛行機を数えたり、公園の遊歩道でローラーブレードをしたり。橋の建設と観光名所化で、あの近辺がどれほど変わってしまったかを知るのは、やっぱり少し怖い。

 ちょうど台場の都市開発が進んだときと同じだ。台場もまた、父のお気に入りのプチドライブコースで、私たちがもっとずっと小さかった頃からよく行っていた。記憶にないくらい昔から通っていたらしく、幼少時代の写真を見ながら「これはどこ?」と訊ねると、答えはだいたい「お台場」だった。昔は本当に何もなくてね、防空壕と砲台が残る草ぼうぼうの空き地と、シロツメクサが一面に咲きほこる原っぱ、それだけ。その原っぱで花冠を作ったり、当時飼っていた犬と駆けまわったり、私にとっては、古き良き想い出がいっぱい詰まった場所だった。

 台場が東京臨海副都心と呼ばれるようになってからは、まだあちこち建設中だった初期の頃、新しもの好きの父が、例によって「ゆりかもめに乗りにいこう」と言いだしたときに何度か行ったくらいで、以降はほとんど足を踏みいれていない。行きたいとも思わない。

 重ねた歳の分だけ想い出があって、それが多ければ多いほど、愛おしければ愛おしいほど、変化は受けいれがたく、痛みを伴うものなのだなーと、最近つくづく思う。昔の人も、みんなそうして感傷を抱えながら、町の発展を見守ってきたのかな。東京なんて、現状維持で、もうこれ以上発展しなくてもいいのにね、なんて思うのはエゴだろうか。開発に携わる人間が、その土地に思い入れのない人たちだったりすると、よけいに切ないよね。

 相変わらず、とんでもない方向へ脱線したな(苦笑)。

 なんだかんだ言って、一度は行ってみないと気が済まない、父から受けつがれたわが家の習性とでもいうのか、母とふたり、GW明けの平日狙いで、遅まきながら東京ゲートブリッジを通過してきました! 基本的にドライブは好きなので、そういう意味では、非常に快適かつナイスなドライブコースだった。きれいで大きくて広くて、景色もいい。初めての道で脇見運転する余裕はあまりなかったけど、橋を渡って3キロ強の長~い海底トンネル(臨海トンネルというらしい)を抜けたらすぐ大井埠頭で、何気に埠頭フェチでもある私は、それだけでもうめろめろだった(笑)。

 若洲から大井埠頭まで10分かからないくらいかな。これは物流・運送業界にとっては大きな変化だろうな。実際、コンテナを積んだ大型車の多いこと多いこと。前後左右を挟まれると、さすがにびびりますね。ここで押しつぶされたら、誰にも気づかれないんじゃないか、とか思って(苦笑)。コンテナ車を運転する方々はみなさんお仕事中なわけだし、そんな中を観光気分で走るのもアレだなーと、なにやら申し訳ないような気分になり、肩身を狭くして、なるべく邪魔にならないようにと一応気を遣っていたつもり。

 意外にほっとしたのは、ゲートブリッジのあるこの東京港臨海道路が、観光や都市開発ではなく、物流の促進と渋滞緩和を目的として作られたらしいことと、管轄が港湾局っぽいこと。実際、道路の先にあるのはゴミ処理場(埋立地)、風力発電所、埠頭と、一般の人の立ち入りが限られるところばかりだし、自分は行っておいてナンだけれど、今後も無関係な人たちが「遊び」に訪れるようなエリアにならないといいなー。それで渋滞したら意味なくなっちゃうしね。

 そして最後に、胸に込みあげたある思いについて。東京港臨海道路が横切る中央防波堤の埋立地に、あんなふうに風力発電所ができていたなんて全然知らなかった。道路沿いの大きな風車を横目に見ながら、なんだかちょっと嬉しくて、思わず「いいね」なんてつぶやいてしまった。海洋発電しかり、何をするにも課題は付きものだけれど、原発に代わる発電がもっともっと広がるといいな。

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