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なんとなくな日常と気のむくままの創作雑記

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煙草と薬と女医さんとモンスターペイシェント

 煙草をくわえ、火をつけようとしてためらい、考えて、迷って、我慢してやめる。でも夜になると、今日一日頑張ったご褒美に一本くらいは、とけっきょく吸ってしまう。さらに一本、二本と、本数は容易に増える。これですべてが水の泡だ。どうしようもなく自分に甘いんだ、私ってやつは。

 とまあ、こんな感じで、禁煙治療はうまくいっているとは言い難く。

 禁煙補助薬のチャンピックスは、実はとってもおっかない薬だった。服用中は「吸い魔」に襲われることもなく、その効果といったら想像以上で、これなら楽に禁煙できるかも、なんて思っていた。

 が、副作用らしき症状が日増しに悪化し、10日間服用したのち、自己判断で中止した。ネットで調べたら、自殺者が出ていたり、昏睡状態に陥ったケースがあったりと、脳に直接作用する薬だけに、けっこうデンジャラス。とくに海外での評価には恐ろしいものがある。

 よくある副作用として悪夢を見るくらいなら、まあなんとか続けていけただろうと思う。実のところ、かなりヤバい夢も見ていた。いけすかない同僚の女の首根っこを掴み、がんっとその頭を机に叩きつけ、上から水をかける夢とかね。相当病んでるなーと思いつつ、相当気分よかった(笑)。まあ、夢ですから。

 じゃあ何が耐えられなかったかといえば、体の痛み。鈍痛と鋭痛が代わる代わる、足といわず腕といわず背中といわず、とにかくもう全身を好き勝手に走りまわってくれちゃって、黙って椅子に座っていることもできず、仕事を一日休んだ。つまり、日常生活に支障が出た。これはまずい。で、服用中止。

 薬をやめたら、痛みは翌日には消えた。副作用のひとつとして報告されている「筋痛・筋痙攣」の類かと思いきや、私の場合、原因は別のところにあったらしい。薬剤師さん曰く、腎機能が低下しているせいで薬が排泄されにくく、相当量がまだ体内に残っているのに服用を続けたことで、過量投与状態になったのではないかと。

 なかなかに説得力のある説明でした。実際、休薬してからも、数日間はほとんど吸わずにいられた。薬の効果が持続していたのでしょう。このとき、一日の喫煙本数がついにゼロになった。皮肉なことに。その後も数本レベルで推移し、実質的にはこれまでの6分の1以下になっていた。

 しかし、この頃にあった2回目の診察で、例の女医さんに怒られた。「最初の一週間は吸ってもいいことにしたけど、そのあとは煙草とライターと灰皿、ちゃんと処分してくださいって言いましたよね、私?」だって。

 そりゃ言われたけどさ、もともとカートン買いをしていたから、まだ複数パックも残っていたわけよ。普段なら数日でなくなるところだけど、幸か不幸か、減煙のせいで全然なくならないんだもの。だからって、捨てるわけないじゃない、たっかい税金払って買ってんのに。という反抗期の子どものような言い分は呑みこんで、「はあ、すみません」とテキトーに相槌を打っておいた。

 手元になくなると逆に不安になると思うのよ。余計に吸いたくなって、けっきょくまた買っちゃう気がする。どうしても我慢できないときは吸えばいい、くらいの気楽な構えでやりたいんだけどな。なんて言いながら、なんだかんだ私は、ノンスモーカーにはなりたくないんだ。なお悪いことに、最近、新しい煙草友だちができた。

 禁煙しなきゃね、と一応それなりに意気込んだものの、救世主だと思っていた禁煙補助薬の副作用で出鼻をくじかれた。薬の量を減らして服用を続けるように言われ、そのレジメンも試してみたけれど、また体の痛みがぶりかえしてやむなく中止。もう怖くて飲めない。

 禁煙支援サイトにも登録してみた。禁煙日記を公開したり、禁煙仲間から励ましやアドバイスをもらったりできる交流サイトらしい。書きこみをしたら、さっそくコメントをくだっさった方々がいたのだけれど、ごめんなさい、ドン引きしちゃった。「仲間がいっぱいいます」とか、「一緒に頑張りましょう」とか、「禁煙できた暁には、ひとまわり大きくなった自分に出会えます」とか、宗教っぽくて気持ち悪かった。

 そして3回目の診察。また怒られた。「禁煙する気がないのなら、あなたの体なんだし、治療をやめてもいいんですよ」だそうな。くそ、むかつくな、この女医。一日に1パック吸っていた人間が、自力で一日2~3本にまで減らしてんだから、これでも多少は努力してんだよ。少しぐらい褒めやがれ。とか思っちゃった(苦笑)。

 大人になってから怒られるとか、ああしろこうしろ、あれはダメこれはダメと他人に命令されるとか、どうも慣れないよね。何ごとも自己責任だとわかっているからなおさら、反発したくなってしまう。はは(笑)、立派なモンスターペイシェントですね。

 そうして新たに処方されたのが、ニコチンパッチ。喫煙本数がだいぶ減って、体内のニコチンもかなり減っていると思われるこの時期に、敢えてまたニコチンを補給するというこの治療法に、大いに疑問を抱きつつ、とりあえず試してみる。

 これも、最初はまあよかった。吸い魔はなりを潜め、ゼロ本の日が数日続く。いけるか、と思った矢先、またも出てしまった。今度は掻痒。貼付部位の紅斑と痒みからはじまって、症状は全身に広がる。どんだけ過敏なのさ、私の身体。自分にがっかりだよ(泣)。

 このまま蕁麻疹に移行してはたまらないと、またまた自己判断でニコチンパッチの使用を中止した。そしたら使用前よりも吸いたいという欲求が強くなって、けっきょく新しい煙草を買ってしまった。ふりだしに戻る。1時間に1本吸っているときと同じ量のニコチンを補給していたんだもの、そりゃそうだよね。こうなると思っていたよ。

 現在の喫煙本数は一日5~6本。それでも2回に1回は我慢している。それなのに、なんだろう、この何とも言いようのない自己嫌悪と罪悪感、さらには挫折感まで。完全にドツボにハマった気がする。

 20年以上に及ぶ習慣を断ち切るのは、やっぱり難しいんだね。人は「悪癖」と簡単に言ってくれちゃうけど、私にとっては単なる、それでいて大事な「嗜好」だった。休憩時のコーヒー一杯、仕事のあとのビール一杯と同じ。いや、趣味のひとつと言ってもいい。好きなんだ。煙草が。喫煙という行為が。スモーカー仲間が。音楽を聴くのと同じくらいに。

 そうは言っても、ここで本当に挫折してしまうのは悔しいし、吸いつづけても先はない。さて、どうしましょうかね。薬は使えない。医者はアテにならない。けっきょくは自分でやるしかないってことでしょうか。これでようやくスタートラインかな。

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